日本鉄道資料館

EH10

EH10 1~64

 EH10形は,東海道本線の全線電化が進められていた1950年代前半,1200tの貨物列車で最大の難所である関ヶ原を安定して越えられるようにするため誕生したマンモス電機です。B-Bの車体を2つ永久連結した8動軸を持つ直流電機で,1時間定格出力は2530kWです。EH10は1~4号機が試作機として1954年に完成しました。試作機の全長は22300mm,運転整備重量118.4t,軸重は14.8tでした。試作機では2つのパンタグラフを2車体の中央部に寄せることにより,高圧ケーブルの短縮による軽量化を図りました。ところが,使用開始後まもなく,80km/h以上の高速域において,トロリ線とパンタの離線確率が高くなる問題が生じ,5号機以降の量産車ではパンタを車端側に配置するよう設計変更されています。5~64号機では,全長は22500mmと20cm長くなる一方,運転整備重量は116tに軽量化されました。東海道・山陽という大動脈で高速貨物牽引により高度経済成長を支えた同機ですが,特筆すべきはEH10 15号機で,1955年12月中旬に車体をぶどう色に塗色され,東京-米原間で旅客列車の120km/h高速試験に供されています。
EH10 61 
No.55-3
1984年6月10日
EH10 61
東淡路南公園

ブラックボディのすごい奴。撮影当時でも既に現役引退からかなり年月が経っており,懐かしく感じました。
No55-2
1984年6月10日
EH10 61
東淡路南公園

61号機は昭和32(1957)年東芝製です。

 2006年1月28日~2006年5月1日作成

■参考文献
 EH10形電気機関車回想 澤野周一  鉄道ファン447 1998年7月号 交友社